先月から始めた「伝達系の偏心によるPモーション相殺」テストですが
効果が確認できたので紹介します。今までの経緯は以下のとおりです。
・伝達系の偏心によるPモーション相殺-2ギヤへ戻す
・伝達系の偏心によるPモーション相殺-1ギヤとベルトの比較
上の写真はウォーム軸とギヤの固定ネジの位置関係を示しています。
グラフが描くカーブがピークに達した時に軸側にマーキングし,それに合わせて
ギヤを固定すればモーションの周期に位相があった偏心を与えられます。
写真はその位置から30度ほどずらしてその影響をテストしている状態です。
以下に結果を示します。
またどの程度の偏心が最適かや,位相のズレがどの程度影響するかを把握して
いる段階ですが現時点でモーションを半分ほど抑制する効果が確認できました。
【対策前】
P-Pで25~30秒角のモーションが発生しています。(ベルト駆動のグラフ)
【5/100mm偏心後】
P-Pで20秒角ほどに軽減できています。
【10/100mm偏心後】
P-Pで10~15秒角に軽減できています。
【偏心0から5/100mm偏心に切替中】
効果の定量性を証明するため追尾途中から5/100mmの偏心を与えた場合です。
【10/100mm偏心+位相を変えた場合】
殆どモーションが出ない状態と急にモーションが出る状態が繰り返されます。
【10/100mm偏心+位相がベストと思われる状態】
途中雲で中断していますがP-Pで10秒角ほどに収まっています。
テストは複数回行っているので概ね傾向を捕らえていると判断します。
この赤道儀では概ね5/100mmの偏心が10秒角ほど追尾に影響する模様で
以前の経験値と変わりありませんでした。
まあモーションの絶対値云々より,明らかに傾きが緩やかになるのでノータッチ
追尾精度が向上するのは間違いないでしょう。
なお,今回のテストは圧力角20度(モジュール0.5)の平ギヤの場合です。
タカハシ製赤道儀では圧力角14.5度のギヤが使われているので偏心量の
影響は小さくなります。
以下左が,圧力角20度(M=0.5),右が圧力角14.5度(M=0.75)の平ギヤです。