フィルタードロワーを併用したカメラマウント接続運用は,ZWO社純正の「フィルタードロワー付カメラマウント」だけで実現できますが,カメラとの接続がM42となるため,フルサイズのASI6200MCPやデュアルチップの2600MC DUOでは支障がでます。
その対策として,「フィルタードロワー付カメラマウント」とASI6200MCPなどを,開口部54φ,三脚台座ありで接続する「FDCM-6200Ⅱ」を商品化しています。(上の写真右上)
三脚台座があるので,カメラレンズでの運用に便利ですが,各部はボルト接続なので,バックフォーカスを小刻みに調整する事は難しく,フィルターによる影響を細かく調整することはできません。(FDCM-6200Ⅱはレンズ全群が可動するApo Sonnar135/2専用です。1段階のみ調整できるFDCM-6200Ⅲを開発中)
これに対して,「2インチEFW用カメラマウント」+「フィルタードロワーM54」で構成する方法もあります。本来の使用方法ではないため純正のみの構成では光路長が5mm長く(EFマウントの場合,11.5+20+5+12.5=49mm)なりますが,フィルタードロワーとASI6200などのチルトプレートをM54で接続するためケラレは発生しません。
バックフォーカスを規程しないRED CAT51やVSD90SSでは支障なく使えますが,正確なバックフォーカスを要求するカメラレンズなどでは,長すぎる5mm分を吸収する「M54FD-5AD」を併用すればバックフォーカス44mmを実現できます。
この場合,「2インチEFW用カメラマウント」と「フィルタードロワーM54」はM54ネジ込み接続なので,市販のシムリングを挟む事でバックフォーカスの微調整が可能です。市販品として,0.1,0.2,0.3,0.5,1.0mmなどを入手可能です。
結論が最後になりましたが,フルサイズカメラでバックフォーカスを小刻みに調整したい場合は,「2インチEFW用カメラマウント」「フィルタードロワーM54」「M54FD-5AD」の3点構成をお勧めします。
望遠鏡とテーパーリングで接続するTR74構成との切替も容易です。(上の写真左側の構成,手前は「フィルタードロワーM54」の後段部で「M54FD-5AD」と交換した部位)
以下が3点構成状態です。「2インチEFW用カメラマウント」と「フィルタードロワーM54」の間にシムリング(写真は全て0.1mm)を挟めます。